春分から夏至までの日々がとても好きだ。仕事で遅くなっても外がまだ明るいというのは、つまり「夕暮れどき」が長いということで、時間が少しだけ伸びたような、得したような、余裕があるような気持ちになる。そんなことはないんだけどそんな気がする。それだけでわたしは結構救われる。
きょうは夏至。これから少しずつ日が短くなっていくんだなと思うと、もう切ない。とても切ない。けれども、日が短くなっていくというのは、つまりわたしの大好きな秋が近づくということでもある。空はどこまでも高く、色づきはじめた木々がいつもの散歩道を彩る、あの美しい季節。そんなふうに、切なさの先には小さくても確かな楽しみがきちんと待っていて、そのことがわたしの心と足取りを軽くする。してくれる。
午後、テレビをみながら寝てしまった夫が「さっきなにか食べてなかった?」と言ったのがおかしくておかしくて、しばらくひとりでクスクス笑った。一体どんな夢を見ているんだろう。起きたら聞いてみよう。きっと覚えていないだろうけど。と思っているうちにいつのまにかわたしも寝てしまった。平和な土曜の夕方。外はまだまだ明るい。
