伸び縮みする時間と心の筋トレ

伸び縮みする時間と心の筋トレ

むかし読んだ吉本ばななさんの小説に「時間は伸び縮みする」という表現があって、若かったわたしはそれがとても好きだった。長い年月が過ぎた今でも折にふれてその言葉を思い出す。

今読んでいるマインドフルネスとダイエットの本には、朝の瞑想だけは時間をとってきっちりやったほうがいいと書いてあって、そうしたほうがいい理由もわかるし、気持ちとしてはやりたいんだけど、年度はじめの忙しさと余裕のなさにかこつけて先延ばしにしてきた。でも今朝、突然、やってみようという気持ちになった。あいかわらず余裕はないけれど、そんなの待っていたらいつまでもできない気がして。

ちょうどよさそうな動画を見つけたので、それを流しながら目を閉じ、姿勢を正し、呼吸を整える。ガイドの声にあわせて感じたり、考えたりを繰り返していたら、10分間の瞑想があっというまに終わってしまった。え?10分ってこんなに短いんだっけ?と思うくらい、ほんとうにあっというまだった。

学校でひとりぼっちだった頃は、あと5分が永遠のように感じていたし、神奈川と神戸で遠距離恋愛をしていた頃は、一緒にいるときだけ時間が倍速で進むような気がした。今日はきっと、よい集中ができたから短く感じたんだろう。続けていれば、びっくりするほど長く感じる日や、今日以上に短く感じる日があるかもしれない。

時間は伸び縮みする。伸び縮みする時間や、ころころ変わる自分をおもしろがりながら、なんとなく続けていけたらいいなと思う。ちなみに、瞑想は「心の筋トレ」といわれているらしい。言い得て妙!