声が大きい人が苦手だなぁと思うとき、必ず思い浮かぶのは教室の光景だ。そこには教室の端と端で、人々の頭越しに会話をする人がいる。わたしたち、おれたち、みんなという主語を、遠慮なくさらさらと使う人がいる。プライベートな事柄を周りの人々にも聞こえるように話す人がいる。
わたしにとって声が大きい人というのは、実際よりも事を大きくして話す人だったり、相手に伝わる伝えられる必要十分の距離で話さない人だったり、聞こえてしまう人々の迷惑を考えられない人を指す。叫び声や怒鳴り声などの物理的に大きな声も嫌だけど、その何倍も何十倍も何百倍もそういう振る舞いや物言いが苦手なのだ。
でも、ほんとうに最悪なのは、それほど苦手だと思っている振る舞いを自分がしてしまうこと。若いときに比べればずいぶんマシになったと思うけれど、まだまだ完璧にはほど遠い。もしかしたら、一生無理かもしれない。だからこそわたしは練習と内省を続けていくしかないし、続けていきたいのだよなぁと思う。

きのうの夜に降りはじめた雨が庭の草木をすみずみまで濡らす。ジューンベリーやギボウシの、いつもより濃く鮮やかな色彩に目を奪われる。今日はギンガムチェックの開襟シャツを作る。
