最近、うちのメンズたちは「あ、このパンツいいな。ちょっと長いけどうたさんに頼めばなんとかなるか」「このシャツめっちゃいいのに丈が長いんだよな〜ママってシャツの丈詰めもいける?」などと言い、さまざまな服のお直しを依頼してくる。報酬は、ちょっといいお菓子だったり、何かを奢ってくれたり、わたしが行きたいところに連れて行ったり(連れて行ってもらわなくても自分で行けるんだけど…)、いろいろだ。
気に入ったものを手直しして大切に着る。自分の体に合わせて着心地がよいようにアレンジする。それ自体には心から賛成しているんだけれど、きのう一気に4本の裾上げを頼んできた夫には驚いた。出来上がりの丈を決めて、まち針うって、ぬいしろ分を残してカットし、アイロンをかけて、またまち針をうつ。ここまでの工程を4本分やろうと思うと40分はかかるし、素材によってはもっと手間と時間がかかる。それに対して、ミシンで縫う時間なんてその半分以下。とはいえ、全部やると1時間はかかる。でもまあいい、今回は特別ねと言いながら準備を終え、さあ縫うぞとなったところで、またもや「糸の色が微妙に合わない」問題が発生した。チャコールグレーのDickiesに合う糸がなかったのだ。どれもちょっと薄く、ちょっと濃い。というわけで、裾上げ待ちのパンツが1本残ってしまった。糸を用意して、今週中には仕上げたい。

できあがったパンツを届けに行くと、段ボールに囲まれた夫が何かを熱心に見つめているところだった。どうやら押入れの整理をしていたらしい。付き合っていた頃の手紙やプレゼント、集めていたフライヤー、CD、子どもの頃の写真など、次から次に出てきちゃって…と苦笑いしながら思い出の束を渡された。やられた。まんまと巻き込まれてしまった。それからしばらくの間、あれこれ見せあっては思い出話をして笑い、時間がどんどん溶けていった。
段ボールからは、夫が昔集めていたポストカードの山も出てきた。ひとつひとつあらためながら、「好きなものがあったら文通に使っていいよ」と言われたので、大喜びして数枚選んだ。なかでも、村尾亘さんのカードが特に素敵だった。
夜は夫がとんかつを揚げてくれて、20歳はわたしが大好きなどらもっち(抹茶味、ものすごくおいしい)と焼き菓子を買ってきてくれた。思いどおりにいかないこともたくさんあったけれど、いい1日だったってことにしようと思う。